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想いをカタチに。育ちゆく庭を見守る喜び

October 21, 2025

大学で景観デザインを専攻し、街並みや公園など公共の場の景観づくりを学んできたSさんは、卒業後は個人宅の庭設計に携わる会社にて設計、現場管理に携わってきた。現在は、IN NATURALガーデンデザイン部の営業事務として、営業から顧客対応、庭のデザインまで、幅広い業務を担当する敏腕社員だ。今回は、大規模なランドスケープと個人宅の庭づくりの両方を学んだ彼女に、IN NATURALで庭を造ることの醍醐味を語ってもらった。

景観デザインから植物を学びに

「街の開発や公園、公共施設などの景観デザインを学んだ経験はとても勉強になりました。ただ、規模が大きいがゆえに、完成形に至るまでに10~20年かかるのは当たり前。庭づくりであれば、短期間で自分の造り上げた庭の姿が見えますから、それもいいなと思い、庭づくりの世界に入りました。また、景観づくり、庭づくりに欠かせないグリーンの存在ですが、当時は植物に関する知識をあまり持っておらず、園芸店で植物を詳しく学んでみたいと思ったんです。」

店舗での経験が庭づくりに活きる理由

植物を学ぶべく、園芸店としてのIN NATURALを選んだSさんだが、初めに配属されたリテール部での店舗勤務では、園芸だけではないIN NATURALの魅力を知り、その後の庭づくりに活きる経験ができたという。
「面接で、膨大な数の植物の種類を覚える必要があると言われたときには、これは勉強になるぞとワクワクしました。でもそれ以上に、IN NATURALの店舗がすごく素敵な空間だと感じたんです。園芸店でありながら、ライフスタイル全般にわたる商品を扱っているところには強く惹かれましたね。また、接客やワークショップの講師を通じて、お客様との距離が近かったのも良い経験でした。お客様の悩みや求めているものを敏感に知ることができ、それが今のガーデンデザイン部での庭づくりに活きていると思います。」
IN NATURALの商品ラインナップは様々だが、薬剤や肥料といった実用的なものから、おしゃれな鉢やジョウロなど、ガーデニングの作業をする際に気分が上がるデザイン性のあるアイテム、資材などもそろっている。
「後にガーデンデザイン部で庭づくりのお手伝いをする際、これを使えば素敵な庭が造れるというアイテムを数多く紹介できたのも、店舗での経験があったからこそだと思います。」
「お客様との距離感でいうと、一番は、店舗での接客を通じて植物に関するお客様のニーズや悩みに気づけたことです。“植物は好きだけどすぐに枯らしてしまう”というお悩みが多かったですね。このような場合は、ヒアリングを通じて、その方のライフスタイルや環境に合った植物やケアの仕方をご提案していました。」
庭づくりだけでなく、IN NATURALの一部店舗ではワークショップも行われている。スタッフや顧客同士の交流の場としても好評だ。
「店舗ではワークショップの講師もさせていただきましたが、寄せ植えなどを通じてお客様と交流できたのは魅力でした。同じ花材でも植える人によって実に様々な印象になりますし、花材をお客様に選んでいただくスタイルでは、一緒に寄せ植えのデザインを考えたりして、こちらも楽しかったです。」

“想いをカタチに。” 対面コミュニケーションの重要性

こうしてリテール部での店舗勤務を経た後、ガーデンデザイン部へとやってきたSさん。店舗とはまた違う形で庭づくりと向き合う中で、大切にしているポリシーを聞いてみた。
「お客様の“想い”を形にすること、それが私の一番大切にしていることです。」
「こちらからの一方的な提案ではなく、お客様が庭に対して抱いている理想や、ここでどのように過ごしたいか、そういったニュアンスをいかに汲み取って想いを実現していただくかということに力を注いでいます。カントリー調やインダストリアル、英国風など、庭にも様々なスタイルがありますが、“IN NATURAL=このスタイル”というのではなく、強いて言うなら“お客様の想う庭”というのがIN NATURALの手掛ける庭のスタイルです。」
そのためには、どのような姿勢で顧客と接しているのだろうか。
「できる限り、ご自宅へ伺うようにしています。実際の寸法や日当たり等の確認という意味もありますが、それ以上に、お家やお部屋の雰囲気からお客様の暮らしをイメージできるというのが一番です。庭だけが独立しているのではなく、やはり暮らしの中の一部分として庭があります。そういったときに、全体的なお家の雰囲気だったり、家具やインテリアから、お客様の趣向や好みを知るということはとても重要なんです。」
「そして、とにかくお話をすることです。庭のことだけではなくて、ご家族のことや趣味のことなど、何気ない雑談をする中で、ご自身では気づいていない潜在的なニーズを汲み取ることができるんです。」
AIやオンラインコミュニケーションツールの発達により、人と人が対面する機会というのが減ってきている昨今。しかし、庭づくりというのは、こういった人間味のあるコミュニケーションの大切さを再確認させてくれる場でもあるのかもしれない。

IN NATURALならではの庭づくり

では、数あるガーデニング業者の中で、IN NATURALならではの庭づくりの特徴があるとすれば、それはどのようなものだろうか。
「経年変化を楽しむことができる庭づくりは、我々の得意とするところです。IN NATURALでは、時の経過による自然な変化を、“経年劣化”ではなく、“経年美化”と考えます。天然石や天然木などの自然素材を使い、時とともに移りゆく庭の表情を美化として捉え、その変化を味わうことを目的としています。例えば、ウリンという木材は、最初は赤茶色ですが、雨に当たると赤色の成分であるポリフェノールが抜けていき、最終的には灰色になります。こういった自然な退色も素材の持つ独特の風合いとして楽しむことができるんです。豊富な知識と、常に更新されるトレンドを活かした提案ができるのも、植物販売店が手掛ける庭づくりならではの強みかもしれません。」

「また、IN NATURALの庭づくりの特徴として、お客様に寄り添う一気通貫のプロセスがあります。お客様のご要望に応じて担当者が割り当てられ、その後は専属担当者として様々な角度からお客様の庭づくりをサポートします。出来上がったら終わりというのではなく、メンテナンスを通じて、理想のお庭を維持して頂けるような長期的なサービスを心がけています。」

IN NATURALが掲げる“暮らしをデザインする庭”

「IN NATURALらしさといったところでは、“暮らしに、NATURALを纏う。” というブランドコンセプトにもあるように、美しいだけでなく、暮らしにどう寄り添っていくかを考えて庭をデザインしていきます。」
「そこには、“心地よさ”というものもキーワードとして入ってきます。美術館や料亭などの庭園って、すごく美しいけれど、手入れが大変だったり足を踏み入れるのに気を遣わなければいけませんよね。それはそれで1つの魅力なのですが、IN NATURALではデザイン性と実用性を両立し、あくまで肩肘張らずにライフスタイルに馴染む庭というのを提供できると思っています。このように、庭を通じてお客様に合ったグリーンライフをトータルでデザインできる提案力は最大の強みだと思います。」

育ちゆく庭を見守る喜び”

これまで、企業から個人宅まで様々な庭づくりをサポートしてきたSさん。ガーデニングの醍醐味とは、ズバリ何だろうか。
「育ちゆく庭を見守る喜び、でしょうか。私たちは、庭を施工したらそれで終わりだとは考えていません。初めは苗木だった植物が徐々に育って理想の庭に近づいてくる、その過程で、喜びや発見、また様々な悩みも出てくるでしょう。そんな庭の成長を、アフターケアやメンテナンスを通じてお客様と一緒に見守ることができる。それが、ガーデニングの一番の醍醐味だと感じています。」
庭は生き、日々育っている。暮らしに溶け込みながらも、そこには確実に命の息吹があり、日常にささやかな彩りをもたらしてくれる。庭を造るというのは、命の小さな変化や成長を見守ることで誰かの生活を豊かにする、そんな幸せな仕事なのである。

文: 藤井麻未

■ Sさん プロフィール
ガーデンデザイン部 営業事務
好きな植物:ユーカリやアカシアなどシルバーリーフの植物、アガベ
休日の過ごし方:4歳の娘と公園巡り(エンドレス滑り台遊び)

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