今回は、庭に表情を出したり変化をもたらしたい場合にオススメな「景石(けいせき)」をご紹介します。見た目の面白さだけでなく、手入れやメンテナンスの面でもメリットがある近年トレンドの資材です。
「景石」とは
植物以外で庭づくりにオススメの資材として人気なのが景石。景石とは、庭の景観を整えるために配置される天然石のことです。自然の中に存在する石なので、様々なサイズや表情があるのが特徴です。では、庭の印象を左右し、空間を演出する景石には、具体的にどのような魅力と実用性があるのでしょうか。

自然が織りなす表情
景石の最大の魅力は、「自然ならではの表情や質感」にあります。人工的に作られたものではないため、1つとして同じものがなく、自然が織りなす奥深い美しさを庭にもたらします。

メンテナンス面でのメリット
ひと昔前の庭づくりでは、地面全体を植物で覆う「グランドカバー」や、草木が生い茂る「雑木林風」のデザインが流行しました。しかし、植物が多ければメンテナンスの手間も増えるという課題があります。その点、景石はトレンドである「ローメンテナンス」を実現しつつ、庭に植物が欲しいというニーズにも応えることができます。植物の足元を飾るように、拳1~2個分ほどの大きさの石をたくさん敷き詰めたり、併せて小さな砂利を敷き詰める(砂利によるマルチング)ことで、足元から生える雑草を抑制する効果も期待できるからです。
様々なタイプがある
天然石である景石は形も大きさも様々。使う石のタイプによって庭に表情を出すことができます。例えば、存在感のある大きめの石を配置すれば、日本庭園のような印象的な庭を造ることができます。また、もっとお手軽なサイズ感の小ぶりな石を敷き詰めれば、モダンな庭や和風の庭にも自然に馴染みます。変則的な配置や、岩場のような雰囲気を出しても奥行きが感じられて個性のある庭になるでしょう。

手軽に、長く付き合える
また、景石自体の手入れは基本的に不要です。時間が経つにつれて石にコケが生えることもありますが、それは庭に深みと味を与える要素となり、経年変化を楽しみながら長く付き合える資材と言えるでしょう。
このように、景石は、手軽に取り入れられるにもかかわらず、様々なガーデンデザインを実現できる魅力的なアイテムです。是非、取り入れてみてはいかがでしょう。
文: 藤井麻未