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暮らしに寄り添う住まいの顔。プロが教える「シンボルツリー」の選び方と楽しみ方

May 26, 2026

新しい家を建てた時、あるいは暮らしの節目などに、記念樹を植えたいと考える方が増えています。1本の木があるだけで、住まいの表情が驚くほど豊かになるというのもその理由かもしれません。今回は、外構のプロの視点から、現代の住宅事情に合わせたシンボルツリーの魅力や、初心者でも失敗しない選び方のポイントを詳しくご紹介します。

シンボルツリーは「住まいの顔」

シンボルツリーとは、その名の通り家の象徴となる木のことです。主に玄関周りやアプローチなど、一番最初に目に入る場所に植えられるのが一般的です。
住宅は、玄関前やアプローチが「外構の顔」として重視されています。敷地に余裕があれば2~3本植えるのも素敵ですが、現代の住宅事情で、限られたスペースに「これぞ」という1本を植えるスタイルも人気です。
木を植える最大のメリットは、空間を和らげる効果にあります。現代の住宅外構は、門柱やコンクリートの土間など無機質な素材が多くなりがちですが、そこに緑が加わることで印象が和らぎ、空間に温かみが生まれます。また、高さのある木を取り入れることで空間が立体的になり、建物との調和がとれて、家全体の魅力を引き出してくれるのです。特に最近流行している黒っぽい外壁やモダンなデザインの住宅には緑が美しく映えるでしょう。

シンボルツリーは「住まいの顔

若い世代にも広がる「記念樹」としての想い

かつては「庭木」というと少しハードルが高いイメージもありましたが、今は若い世代の間でもシンボルツリーを取り入れる方が増えています。
そのきっかけの多くは、新築の完成や、お子様の誕生といった人生の節目です。自分たちの家を持った記念に、あるいは子どもの成長とともに大きく育っていく姿を楽しみたいという想いから、シンボルツリーを植えてみたいという方が多いようです。ショップのディスプレイなどで、おしゃれに木が飾られているのを目にする機会が増えたことも、心理的なハードルを下げている一因かもしれません。また、かつて植えた木を新しい木に植え替える「リガーデン」など、心機一転、今の暮らしに合ったシンボルツリーを相談されるケースもあります。

若い世代にも広がる「記念樹」としての想い

失敗しないための「環境」の考え方

近年の気候で特に注意が必要なのが、夏の暑さと西日です。日本の夏は非常に高温多湿で、期間も長期化しています。特に西日が強く当たる場所は過酷な環境であり、落葉樹などは葉が焼けて散ってしまうなどの可能性があるため、樹種選びには注意が必要です。一方で、北向きの玄関など日陰になりやすい場所では、耐陰性のある樹種を選ぶのが成功の秘訣です。光が足りないと十分に育たない木も多いため、植えたい場所の日の当たり方を事前にチェックしておきましょう。

成長とメンテナンス

シンボルツリーにおけるメンテナンスの基本は、適度な剪定です。種類にもよりますが、木は年月が経つと上にも横にも広がっていくため、だいたい年に一度程度の剪定が必要です。植え付けの段階から「ある程度の高さになったら剪定する」という意識を持っておくことが大切です。IN NATURALでは、そうした定期的なメンテナンスについてもご相談いただけます。また、初心者の方には、成長が緩やかなものや、樹形(木の形)が自然に整いやすく乱れにくいものをおすすめしています。

成長とメンテナンス

常緑樹と落葉樹、どちらを選ぶ?

多くの方からいただくのは、常緑樹にすべきか、落葉樹にすべきかというご質問ですが、どちらにも異なる魅力があります。
 
常緑樹(じょうりょくじゅ): 一年中緑の葉を蓄えているため、冬場でも寂しい印象になりません。一年を通して安定した目隠し効果や彩りを求める方に向いています。落ち葉掃除が不要と考える方もいますが、常緑とはいえ古い葉は少しずつ落ちるため、全く掃除が不要というわけではありません。
 
落葉樹(らくようじゅ): 春の新緑、夏の木陰、秋の紅葉、そして冬に葉が落ちた後の枝ぶりと、四季の変化をダイレクトに感じられるのが魅力です。落葉時には掃除が大変な面もありますが、冬には室内まで陽の光を取り込めるというメリットもあります。

常緑樹
常緑樹
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常緑樹
落葉樹
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プロがおすすめする人気の樹種

具体的にどのような木が選ばれているのでしょうか。初心者の方でも扱いやすく、かつおしゃれに見える人気の樹種をご紹介します。
 
オリーブ: 日当たりの良い場所を好む、非常にポピュラーな樹種です。地中海原産で乾燥に比較的強く、シルバーがかった葉がモダンな住宅にもよく合います。
 
シマトネリコ: 「メジャー中のメジャー」と言われるほど人気の常緑樹です。丈夫で育てやすく、爽やかな小さな葉が特徴です。
 
アオダモ: 最近、特にお客様からの指名が多いのがこのアオダモです。野球のバットの材料としても知られ、白い斑点のある美しい幹肌が特徴です。雑木林のような自然な雰囲気を作りたい場合にぴったりで、様々な住宅によく馴染みます。
 
ソヨゴ: 成長がゆっくりで、樹形が暴れにくいため管理がしやすい常緑樹です。耐陰性があるため、北向きの場所などにも植えられます。さりげなく咲く花や赤い実も楽しめ、季節を感じさせてくれます。
 
アカシア、ユーカリ: 「オージープランツ(オーストラリア原産の植物)」として人気があります。個性的でおしゃれな雰囲気を出したい時によく選ばれます。
 
ジャカランダ: 美しい紫色の花が咲き乱れ、南国風の雰囲気を楽しめることで知られています。寒さに弱いため暖かい地域向きですが、最近ではあまり大きくならない品種(矮性種)も出ています。育てるのには少しコツが必要なので、慣れている方におすすめしたい樹種です。
 
バンクシア、グレビリア: 個性的なオージープランツです。環境への適応が少し難しいため、こちらも植物に慣れている方におすすめします。

オリーブ
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オリーブ
シマトネリコ
アオダモ
ソヨゴ
アカシア、ユーカリ
ジャカランダ
バンクシア、グレビリア
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おしゃれに見せるコツ

シンボルツリーをより引き立たせ、お庭全体をセンス良く見せるには、いくつかのポイントがあります。
 
1.低木や下草との組み合わせ
シンボルツリーの足元に、低木や「下草(したくさ)」と呼ばれる植物を組み合わせるのがおすすめです。具体的には、ニューサイランやクリスマスローズ、カレックスといった、枝ではなく葉の形や色が美しい葉ものを配置します。メインの木に対してサブの植物を添えることで、奥行きと動きが生まれます。また、風にそよぐような動きのある草を取り入れると、柔らかな表情が加わります。
 
2.石や鉢の活用
「ロックガーデン」のように、石と植物の表情を組み合わせるのも最近のトレンドです。また、地植えが難しい場合やスペースが限られている場合は、鉢植えで楽しむことも可能です。その際は、風で倒れないように重さのある大きな鉢(土が100リットル以上入るようなもの)を選びましょう。鉢植えは数年ごとに植え替えが必要になりますが、それさえクリアできれば十分にシンボルツリーとして楽しめます。

低木や下草との組み合わせ
低木や下草との組み合わせ
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低木や下草との組み合わせ
石や鉢の活用
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シンボルツリーとともに暮らす

木を植えることは、単に外構の見た目を整えるだけではありません。本能的に心が安らいだり、風に揺れる葉の音に癒やされたりと、暮らしに潤いをもたらしてくれます。また、オリーブやジューンベリーなど実がなる木であれば、それを収穫するなど生活の一部として楽しむこともできますね。

コツが必要な木もありますが、育てられるかどうかを心配するよりも、まずは自分の好きな見た目のものを選んでみてください。直感で「素敵だな」と思うものであれば、きっと愛着を持って育てることができるはずです。もし育て方が分からなければ、私たちプロにご相談ください。その場所の環境に合わせるための工夫や、メンテナンスのアドバイスを通して、シンボルツリーとの健やかな暮らしをサポートいたします。1本の木から、住まいの顔を整えてみませんか。

文: 藤井麻未

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