2026年8月、IN NATURAL港北店にて苔テラリウムの手作りワークショップが開催されました。夏の暑さが続く中、涼しい室内で瑞々しい植物と触れ合い、日々の暮らしの中で癒やされてほしいという思いから企画されたイベント。
今回は、初めてテラリウム作りに挑戦する方から、ご自宅で苔を育てている方まで、様々な方が参加されました。それぞれの個性が光るワークショップの様子を、参加者の皆さまのリアルな声とともにお届けします。
苔テラリウムとは?
苔テラリウムとは、ガラス容器の中に苔を植え付け、まるで自然の一部を切り取ったかのような景観を手軽に楽しめる苔の飾り方です。頻繁に水やりをする必要がなく、1〜2週間に1回程度の霧吹きや水やりで十分に美しさを保てるため、日々のお手入れが簡単なのが魅力です。
苔は、一般的な植物のような根ではなく、葉などの体の表面全体から水分を吸収するという性質を持っています。そのため、作業中にハサミでカットして植え込んでも問題なく元気に育ちます。 「失敗を恐れず、思い切って作業して大丈夫ですよ」という講師の言葉に、参加者の皆さまも安心して作業をスタートされていました。
まずはガラス容器内の土台づくりから
ワークショップは、手元に用意された完成イメージのイラストやサンプルを見ながら進められます。まずは蓋付きガラス容器を開け、土台となる土を入れていきます。使用するのは、カビが発生しにくい赤玉土ベースの土です。この土を、ピンセットの後端にあるヘラを使って、手前が低く、奥が高くなるように傾斜をつけて配置していきます。こうすることで、容器の中に奥行きと立体感が生まれます。
土が整ったら、水差しを使って全体を湿らせます。コーヒーをゆっくりと淹れるようなイメージで、上部からじわじわと染み込ませていくのがコツです。水が底に溜まりすぎてしまうと苔の成長を妨げるため、水量を慎重に調整しながら行いました。
景色に表情をつけるコルクの配置
土台ができた後は、テラリウムの表情を決定づける、コルクを配置するステップです。
机の上には大・中・小と、岩に見立てた3つのサイズのコルクが用意されています。皆さまコルクの表情を見比べながら、お気に入りの素材を楽しそうに選んでいました。 「どのコルクを選ぼうかあれこれ考える時間がすごく良かった」「他の参加者さんと『それ可愛いですね』とおしゃべりしながら選べたのがとても楽しかった」というお声をいただきました。
配置のポイントは以下の通りです。
①大きなコルクから配置を決める
主役となる大きなものから位置を決めると、全体のレイアウトがまとまりやすくなります。
②深く、しっかりと挿す
お持ち帰りの際に倒れてしまわないよう、土の中にぐさっと深く差し込んで固定します。
③高低差をつける
コルク同士の頂点の高さを揃えず、あえて階段状に高低差をつけることで、自然な遠近感が生まれます。
デザインのバランスを考えるのが少し難しかった、と悩みつつも、皆さま自分だけの理想の配置を見つけ出していました。
いよいよ主役!3種類の苔を植え付ける
いよいよ特徴の異なる3種類の苔を植え付けていきます。
① 山苔(ヤマゴケ)
ふかふかした芝生のような、最も背の低い苔。細かな株が集合してできているため、小さくちぎり、ピンセットで挟んでハサミで茶色い根元部分を少しカットしてから植え込みます。
② コツボゴケ
水に濡れると葉が半透明に透き通る美しい苔。長く成長する性質があるため、コルクの近くに植えると、まるで壁を這い上がるように育ちます。
③ 檜苔(ヒノキゴケ)
最も背が高く、フサフサとした立体的な苔。テラリウムの奥側に配置することで、まるで深いジャングルのような迫力のある風景を作り出すことができます。
植え付け作業が始まると、会場は心地よい静寂に包まれました。 「苔テラリウム作りは作業に集中するので、皆さんだんだん言葉数が少なくなっていくんですよ」と講師が語る通り、皆さまピンセットを動かす手に全神経を集中させていました。
「ピンセットで細かい苔を植えるのが難しかったけれど、その分没頭できて癒やされた」 「同じ材料を使っているのに、一人ひとり全く違う表情の作品ができあがっていくのが本当に面白かった!」 と、手作りならではの魅力を存分に肌で感じていただけたご様子でした。
経験者ならではのリアルなお悩み相談も
作業中には、過去にご自宅で苔を育てた経験のある参加者さまから、講師へ熱心な質問が寄せられました。まずは、「以前育てていた苔にカビが生えてダメになってしまった。具体的なカビの対処法を教えてほしい」とのご相談です。
空気中にはどうしてもカビの胞子が舞っているため、カビが発生すること自体は珍しくありません。今回のワークショップではカビの生えにくい無機質な土を使用していますが、もし白いカビを見つけたら、広がる前にピンセットなどでその部分を早めに取り除くことが大切です。また、ガラスの中が曇っているときは湿度が保たれている証拠なので、たまに蓋を半分開けて中の空気を循環(換気)させてあげると、より元気に育ちカビの予防にもなります。
「一人暮らしの部屋などで、夏場にエアコンを切って室温が高温になってしまう環境での育て方に不安がある」とのお声もありました。
本が読める程度の明るい室内がベストですが、直射日光は容器内がサウナ状態になって枯れてしまうため厳禁です。苔の適温は10度〜25度ですが、夏場にどうしてもお部屋が高温になってしまう場合は、一時的に冷蔵庫(野菜室など)に避難させるのも効果的です。
「ずっと知りたかった疑問がすっきり解決できて、とても勉強になりました!」と、皆さまも満足されたご様子でした。
個性豊かな苔テラリウムを我が家へ
約1時間のプログラムは、あっという間に過ぎていきました。完成した作品を眺めながら、皆さましばし撮影会を楽しまれていました。お作りいただいた作品について、「家の顔である玄関に可愛く飾りたい」 「リビングの一番目につくところに飾って、家族に見てもらいたい」 など、皆さま個性豊かな作品をご自宅に飾るのを楽しみにされているご様子でした。
今回は、忙しい日常を忘れて緑と対話し、心ゆくまで創作に没頭する、豊かで温かいひとときとなりました。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。今後も、IN NATURALでは様々なワークショップを企画してお待ちしております。ぜひご参加くださいね。
文: 藤井麻未












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